モザイク
「なんか大丈夫そうだな」

時宗の言葉にはっとする。

「ほんとだ、案外大丈夫みたい」


「ここ昔来たことあったんだ、

 いつかお前に見せたいって思ってた」


「そうなんだ?」


あたしは眼下に広がる鮮明な景色をもう一度焼きつけてから

目を閉じた。




赤と黄色のモザイクが

降り積もっていくようなイメージ


まるで染まっていくように、


目を開くと、

時宗の顔とその背景に赤と黄色

私はこの情景を見るために、

この10年を過ごしてきたのかもしれない。


「幸せの情景」


「ん?」


「私忘れない。

 多分一生

 時宗

 ありがとう。」


「え?どういう意味?

 それが

 ねえ俺のプロポーズの返事?」






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