モザイク
「あ、着いたみたい」

ガシャンと音がして

ドアが自動で開いた


「あ、おいってば」


立ち上り、降りた私に

困惑したように追いかけけてくる時宗。


私は、

10年たっても変わらない彼の姿に目を細めた。

「時宗。」

「あ~?」



「いってらっしゃい」



「へ?」

「あの日言えなかった言葉。

 私泣いてばっかで、

 一言も言えなかった。

 時宗の言葉、聞いてただけで、

 あの時のままあたしは止まったままだったの。

 10年も。」














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