《詩集》虚構の復路

『鏡』


不自然な笑みを湛えた君に
憎しみに似た感情を抱くのは

伏せた睫毛の隙間から
僕を映した鏡のような

歪んだ色が滲んでいるから

覗けば覗くほど憂いが募るのに

叫ぶ度
血を流す度に
君は清く美しくなって

眩しすぎる光の中へ

暗涙に咽ぶ誰かのことも
知らないふりをして

触れることすら叶わない
鏡の向こうへ
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