《詩集》虚構の復路

眠たい午後

『眠たい午後』


通り過ぎてく黒い影
肩を叩いてる細い指

冷たい吐息が耳にかかって

抱えてた地図を
僕は落とした

もう何年経ったろう

帰るべき場所に
未練なんてないけれど
望んでたものは掴めそうもなくて

乾いた笑いが響いて溶ける

夕陽の香り漂うひと時に
気だるい身体が愚痴を溢して

必要ないなら休みをくれと
脆い網膜が囁いてるから

僕はもうすぐ眠るらしい


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