《詩集》虚構の復路

花火

『花火』

灯りの落ちた民家の隙間

欠けた花火を指差して
溜め息を吐いた夏の終わりは

君の居た去年のこと

火薬が弾ける一瞬の連続に
連想したのは何だったのか

強く儚く美しく
仄かに寂しい

消えていく光を
飽きるほどに追いかけて

寸の間でも止まってくれと

空を仰いだ
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