本気の偽りの恋。

その日から私は涼といても
ずっと上の空だった。

涼は私を楽しませようと
沢山はなしかけてきた。

「沙那、聞いてる?」

「…あっ、ごめん。」

ごめんね、ずっと傷つけて。

「涼、ごめん。私のはなししてもいい?」

「……うん。」

「私、前に付き合ってた人がいたの。」

「うん」

「ハツカレみたいなもんで、どう接すればいいのかわからなくて
ずっとべったりだった。

最初は優しかったあいつも少しずつ変わって
私にとって怖い存在でしかなくなった。
でも、たまに優しい時があって、
いつの間にか依存してた。

最近治ったと思ってたのに、
治ってなくて、

今でも依存してる。


あいつが忘れられない。」

「………で?なに?」

涼は、静かに聞いてきた。


「私は…涼が思ってるような人じゃないよ。」

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