偽りの小悪魔ガール
山本君はほんのり頬を染めた。
...分かりやすいなぁ。
そんなに照れなくていいのにっ。
「あの、よかったら1日目。俺と一緒に回ってくれませんか?」
「えっ..?!」
あたしに見つめられて照れてる可愛い~なんて
心の中で小ばかにしていたけど、そんな意外なお誘いに
あたしは声をあげてしまった。
「だめ...かな?それとも西条さんならもう、先約いるとか?」
山本君は普通にカッコイイと思う。
ちょっと茶色い髪の毛はふわふわしていて
パッチリ二重のタレ目は愛らしい。
確かサッカー部で、こんがり焼けた肌がすごく似合ってる。
「先約はいないけど...」
けど...どうしよう。
流れ的に美姫と2日間とも回るつもりだったしなぁ...
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しかし、そんなことを思うあたしの頭にひらめきがやってきた。
「じゃあ...無」
「いいわよっ。回りましょ?」
遠慮した顔で去ろうとした山本君の制服をクッと引っ張ってから
あたしは精一杯の笑みでそういった。
山本君の顔はさらに赤くなっていく...
「あっありがとう!!!!」そしてそういうと
照れながら足早に作業へと戻っていった。