偽りの小悪魔ガール
するとギロッと斜め後ろのあたしを
にらみつける美姫。
「なによ...」
「思ってもいないこと言わないでよ、みんなのアイドルちゃん」
「はぁ?あたしが嘘でもつくと思う?」
「思う」
「そ、即答までしなくても....」
まぁ、あたしは嘘の固まりよね。
自分の可愛さに気づいていながら天然を装ってるなんて...
もしそんな子がいたら寒気がするわ...、まぁ
あたしくらい可愛ければいいけど。
「どうせ『いつも素でクールでなんでもズバッと言ってもそれがキャラで成り立つ美姫が羨ましいわ』なんて言いたいんでしょ」
「よく分かったわね正解」
あたしの真面目な返しにフッと笑うと
美姫はあたしの腕を掴み鏡の前までつれてくると
やさしく髪の毛に触れた。
「何をしていなくても誰もが羨む容姿なんだからって、それに見合った性格でいればいいってわけじゃないのよ。わかる?友里ちゃん」
「あ、あたしは別に演じていて楽しいだけで...無理しているんじゃないもの」
「その割りにあたしの前ではいつもため息ついて、顔だって笑顔キープしてるから疲れているくせに。」
「そ、それは...」
正論。
全て正論すぎて、なにもいえない。
自分を追い込んでいるのも、無理させているのも全部自分。
「何しなくったってモテるんだから、逆に冷血な美少女なんてどう?もっと男子どもは血の気が騒ぐと思わない?」
「冷血...ねぇ」
ふぅん、なんだか面白そうじゃない。
それならいかにあたしの容姿が恵まれているかって
分かるわよね。
「まぁ決めるのは友里自信よ」
「たまにはいいこと言うじゃない、美姫」
「うるさいな~(笑)ホラ、戻ろ」
「うん」