偽りの小悪魔ガール
『これより___』
放送が入ると、文化祭は幕を開いた。
一般公開日は明日とはいえ、
ただでさえ1学年9クラスもあるうちの高校の校風は
大学みたいに中々自由な感じ。
校舎の中央には吹き抜けのホールがあって
そこにあるステージをメインにお店が広がっている。
「美姫ちゃん、友里ちゃん接客お願い」
はい、と渡されたエプロンをみて
あたしたちは目を合わせて固まった。
「かっ可愛すぎ!2人とも!」
更衣室から出て既ににぎわうカフェに行くと
クラスメイトもお客さんもみんなが
あたしたち...得にあたしに注目した。
「そっそうかなぁ?」
なんて1回転してみせる。
...は、恥。
なぜなら、
あたしたちの格好は
『メイドさーん!こっちきてー』
「は、はぁ~い」
....そう、メイド服。
あたしは美姫とため息をつくのを最後に
「よし!行くわよ」
気合を入れて接客に取り組んだ。