偽りの小悪魔ガール



「つ、疲れた...」

「中々の労働なのね....はぁ」


3時間通しで働いたあたしたちは

倒れるようにして裏方に座り込んだ。



「2人のお陰でもう元取れちゃった!ありがとう!もう自由時間にして!」


そしてそう言われてあたしたちは


接客と....、メイド服から解放された。





「友里、キョロキョロしてどうしたの?」

「あ、実はあたし山本君と回るの...」

「え?!や、山本君?どうして急に」



美姫は足を止めてあたしの肩を掴んだ。



「あ、まぁ流れで。注目されちゃおうかなっなんてね」

「はぁ...友里ってばホント、バカ。いってきなよ」

「ふふふ、ありがとう美姫」



あたしは美姫と別れてトイレで身だしなみを整えると


山本君を探し始めた。



...待ち合わせ時間と場所とか


なんで決めなかったんだろう....これじゃあ


絶対見つからないじゃない。


あたしは近くのベンチに腰をかける


とその途端___


「ねぇ!友里ちゃんだよね?」


そこには見覚えのある金髪.....



あ、どうしよう。



珍しくあたしの心拍数が上がっていて


フラッシュバックするようにあのときのことを思い出した。



強く掴まれた腕を....隠すように後ろに回す。



そう、そこにいたのは紛れもなく昨日の先輩だった。




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