偽りの小悪魔ガール
「別に俺はバレてもいいんだけど?」
「えっ...」
まぁこのいまの楽しさがなくなるのはアレだけど
実際俺がほんとはこんなにいいヤツじゃないって
なったところで女は基本俺の顔しか見てないわけだし
どうってことない。
そんな俺の一言が予想外だったのか一気に曇る西条の顔。
「あ、それとも提案があるけど。どうする?」
俺はとびっきりの提案を思いついた。
「なっなに!」
「俺らさ、キャラ作ってる同類同士で仮の恋人になろうぜ」
「.....はぁ?」
案の定ポカンとした表情を浮かべるも
元が整っているせいで
全く崩れない西条の顔。
「まぁお前もあれだろ?究極にモテて楽しもうとかそういう考えなんだろ?」
「そ、そうだけど...」
「だからさ注目されてるらしい俺らが付き合えば、もっと面白いことになりそうじゃん。で、どう?」
口をパクパクさせて理解できない様子の西条に迫る。
「ちょ、なによ...」
ふわっとシャンプーの香りがして
その綺麗な髪の毛に触れると
ビクッと身体をこわばらせた。
...え?もしかしてこいつ...緊張してんの?
ゆっくり顔を覗き込んでみれば
白い肌を真っ赤に染めて目を泳がす。
....か、かわいいなお前。