偽りの小悪魔ガール
♪友里side♪
「西条さんっ!!探したよ!」
「あっ...山本君...ごめんね」
息を切らして寄って来た山本君を見て
ハッと我に返った。
携帯のアドレス帳を確認してみれば
『司』の文字。
...うそ、じゃないんだ。
いや、本当でもない。
『仮の恋人』になったんだあたしたち。
「西条さん?大丈夫?」
「あ、ううん大丈夫。待たせてゴメンネ?」
「いや西条さんが無事でよかったよ、変な男に連れて行かれたかと思った」
「そ...そんな」
「まぁよかった!さ、いこっか?」
「う...ん!」
頭の中は早見くんでいっぱいだった。
こんなにも男のこのことで頭がいっぱいになって
ずっと考えてしまう....ドキドキするのって
あたし、はじめてかもしれない....なんなの。
そのせいか、あたしはぎゅっと山本君に手を握られていたことにも
気づかなかったのが....波乱の幕開けとなった。