偽りの小悪魔ガール
♪司side♪
朝、知らない男に連れられる友里を見かけて
あとをつけてみれば告白だった。
屋上で隣にちょこんと座る友里を見下ろす。
サラサラと伸びた髪の毛が風に揺れて
ふわっとシャンプーの香りがする。
「お前さ、なんだかんだ俺の事すきだよな」
そしてつい、いじめたくなった。
俺の言葉にボゥっと火が出るように
真っ白い肌を赤く染めて大きな目をぱちぱちとさせる。
「ち、ちがう!」
そんな姿もなんか可愛くて
思わず抱きしめたくなるのを抑えてそのまま上半身を後ろに倒した。
雲ひとつない青空を背景に
俺を見下ろす綺麗な顔。
「あのさ、あたしたちって『かりそめ』よね?」
「まぁ今はな?」
「今はな...って」
「ん?ちゃんと言って欲しい?どういうことか」
俺はガバッと起き上がって
小さく俯く友里をのぞきこむと
「い、言わなくていい!」と
その小さな手で俺の胸をおした。
俺はすっとその手を掴む。
「はなしてよっ」
あたふたする友里。
....あれ、なんか新鮮。
もしかしてコイツ...
こんなに強がってるけど
恋愛経験ないんだな。
俺の言動にいちいち可愛い反応するし
...うん、そうだ。
そう思うとどうかしてでもこいつを手に入れたいって
思う感情が強まって
はじめは仮の恋人なんて軽く言っていたものが
いつしか俺の中で強くそれ以上となっていた。