偽りの小悪魔ガール
♪司side♪
「おーっす!」
「おーおはよ」
「え、司朝にしては機嫌よくない?」
「そうでもないよ?」
コイツは唯一、素の俺を出せる直(なお)
転入してきてまだ3ヶ月少しだけど
コイツとはもう何年も一緒にいる感じだし
最初から俺を一目おいたりなんかしないで
普通にしてくれた良いヤツ。
「司のことだから友里ちゃんと嬉しいことあったのかと思ったわ」
「ちげーよ」
...ま、半分本当だけど。
友里といるだけで最近幸せを勝手に感じてる。
アイツは意外と鈍感な部分があるから
俺を『かりそめ』の相手にしか思っていないだろうけど。
「まぁ改めて、ホントすげーよ。転入してすぐあの友里ちゃんと付き合うなんて」
「友里ってそんなにすげぇのかよ?」
「だって入学してすぐ各学年のイケメンの先輩に告られたりしても断ってきた友里ちゃんだぜ?さすがだよ、お前ほんと良い男だからな~~」
「きもい、やめてくれ」
「そんなツンデレなところも素敵なんですよ!女子からしたら!」
「お前女子じゃねーだろ」
「いやまぁそうだけどさ~」
かりそめのことは、俺と友里しか知らない。
いくら仲良いヤツにでも今はまだ秘密にしようってことになってる。
まぁ友里はあのあと親友の...美姫?だかってこを
なんとか付き合ってるって信じさせるために
相当苦労したらしいけど。
「なぁ合宿だってよ?!」
HRが終わり、友里を迎えに行こうとすると
直に止められプリントにはじめて目を通す。
「なんだよこれ」
「まぁ強制参加だから仕方ねぇって」
とかいいながら楽しそうな直。
俺は極力こういうの行きたくないんだよな
まぁ友里といればいい話。
俺はプリントを写めってそのままゴミ箱に捨てた。