偽りの小悪魔ガール
文化祭を3日後にひかえた放課後、
あたしたちはクラス展示でカフェを作っていた。
「はい、これやって~!」
実行委員の美姫は急がしそうで、
話し相手のいないあたしはなんとなく
装飾品を作っているように見せかけて
廊下をじっと見ていた。
それにしても、噂の彼を見かけない。
もしかして学校きてないわけ?
...転入早々それはないか....
けどまぁ、騒がれる側の人間としては
たまに静かになりたいときくらいあるし...なぁ
なんて相変わらず廊下に目をやり人間観察をしていると
「あの、西条さん!」
肩を叩かれて振り向くとそこには
「えっと...」
...誰だっけ...確か...
「俺は山本圭吾(やまもと けいご)!!」
「あっ...そうそう!山本君!」
あたしは思い出したかのように手を叩いてそう言ったけど
名前なんて知らなかった。
ただ...同じクラスだよね?顔はみたことある...
あっ!確か、学級代表やってるんだ!!