たった一人の甘々王子さま
3 初めての恋愛
「おはよう、優樹!」
教室に入るとエミがいた。
「うん、おはよ。エミはいつも元気だよね。」
『俊樹くんのお陰です!』
そう言いながら空いている席を探す。
「ねぇ優樹、窓際の席で良い?」
「うん。任せるよ。」
並んで席に座る。
今日の天気は心地よい。
窓際に座ると木々の隙間から漏れる日差しの温もりで眠たくなってしまう。
始まる時間まで少しのんびりしようかな......と、目を閉じてみる。
そんな優樹の横顔をジッと見つめるのは―――――エミだ。
「何かねぇ~、優樹の雰囲気が変わった気がする。」
「―――――え?」
エミの発言に驚く優樹。
「な....何を根拠に!」
動揺しているのがモロ分かりだ。
そんな優樹を見てエミはニッコリ。
「だってさ、何かね―――。優樹の回りの空気が柔らかくなったっていうかさ。」
ちょっと首をかしげて考える素振りのエミ。横目で優樹を見る。
「優樹の男らしさがね、なくなってきた感じ。――――――もしかして、相楽さんのお陰?」
浩司と同棲を開始してもうすぐ10日目。
あんなに嫌だったのによく続いてるものだ。
無理矢理部屋に連れていかれ、名前を呼べと強要され―――――キスされて........