たった一人の甘々王子さま



「優樹、お待たせ。持ってきたよ?」



ベッドの上で小さく丸まっている優樹に声をかける。
全身がシーツにくるまれているので表情がわからない。
反応がないので、ベッドサイドに近づいて優樹の傍に腰かける。


「――――――――。」


「優樹、起きれる? あのさ、もうホテルの朝食の時間が過ぎてしまってね。外で食べてもいいかな?」


浩司の問いかけに優樹が反応しない。
もう一度声をかける。


「優樹? 今日も出掛けるんだろう?そろそろ起きようよ。」



首をかしげた浩司は、そっと優樹に掛かっているシーツを肩まで捲った。


どうやら、優樹は丸まったまま眠ったらしく小さな呼吸音が聞こえた。


「........本当に眠たかったんだ。そんなに激しかったか?」


浩司は昨夜の情事を思い出す。
『初めての優樹には激しく愛しすぎたか?』


捲りあげたシーツからは優樹の日焼けした肌が見える。
スポーツをやっているから程よく引き締まっている。



「優樹―――可愛くて、愛しくて、堪らないよ........」



浩司は、ほんの出来心でもう少しシーツをずらした。
すると、二の腕に押された可愛い胸が谷間を作っていた。


「......ちょっと、コレは........ヤバイな。朝っぱらから刺激が強い。」


理性が―――などと言ってはいるが、視線は優樹の胸に釘付けだ。
その膨らみを見ると、昨夜、咲かせた赤い華が幾つもあった。


それだけで煽られて、優樹の脇の下の肩甲骨寄りに『チュウッ』と音をたてて、新しい花を咲かせた。


「俺のモノって印、好きな子に付けるのって結構嵌まるな。」


シーツからでている優樹の肩を撫でる。
浩司の顔が綻ぶ。
と、


「浩司のキス魔。エロ大王......」


優樹はそっと目を開けて呟いて、浩司を見上げた。


「え!優樹、起きてたの?」


浩司の頬が染まる。


「起きてちゃダメですか?エロ大王様。」


ちょっぴり嫌味を込めて優樹が答える。
浩司が剥いだシーツを手繰り寄せながらゆっくりと起き上がる。


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