たった一人の甘々王子さま


昨夜、はじめて思いをぶつけて結ばれた二人。
浩司は優樹をたくさん愛した。
優樹もそれを全て受け入れた。


が、浩司の優樹への愛情は半端なくて..........
からだが繋がりあってから溢れんばかりの思いが言動に表れる。
経験値の低い優樹は対処に困る。


「試合当日も、男子より先に試合が始まるから早く帰ってこれると思うよ? でね、試合用のテーピング欲しいんだよね。」


然り気無くフォローしつつ、買い出しの許可を得ようとする。
かわいく微笑むので浩司は頷くしかない。


「此処の店に行きたいから、いい? 品揃え豊富なんだ。」


スマホで検索しながら話す優樹に


「........悪い虫が付かないように、お守り持っていってね?」


と、言って浩司は含み笑いを浮かべる。
優樹も何のお守りなのか意味がわからず、


「え? お守り? 良いよ。」


『なんだ、そんなこと』と、微笑み返した。


この時はまだ、出発前の夜にとてつもなく大きな愛を受け止める羽目になるとは思ってもいない優樹。


「ふーん、そう。良いんだね。取り消し無しだよ?」


ゾクッ―――――


と、背筋が冷たく感じで、かろうじて危機感を得た優樹だった。


「ん?風邪っぽい?気を付けよっと。」




こんな時、経験値が低いと大変です........

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