愛されたがり。




二人掛けの席が四つとカウンター席が六つあって、可愛らしい照明や花々で彩られた店内は、乙女心を擽られるものがあった。


ニスが塗られた木の扉を開けると、赤いリボンがついた小さな鐘が鳴る。

レトロな雰囲気が良い。



「いらっしゃいませ」



厨房から声がした。

若い男の人。あの人がシェフなのか。



黒い制服を纏ったウエイターがこちらにやってきて、席へ案内してくれる。


椅子を引いてくれて、私はそこにちょこんと座った。


窓辺の、薄暗い空間。

ほのかな赤のキャンドルが綺麗だ。



少しして、グラスに入ったお水とメニューが渡された。

私たちはメニューへと視線を向ける。


まあ、どれも美味しそう。


< 10 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop