愛されたがり。
ウエイターに聞いたり、広瀬くんと相談しながらフルコースを注文して、運ばれてきたワインを飲む。
赤は渋いイメージがあって少し苦手 だったけれど、ここの店のワインは味わい深くて美味しかった。
昔に一度飲んだ”腐ったワイン”ではなく、”寝かしたワイン”という感じでいくらでも飲める気がしたくらいだ。
広瀬くんとの会話、美味しい食事、丁寧な接客。
お腹も心も満たされて、ふわふわとした幸福感に包まれる。
それに、驚いたことにこんなに手の込んでいて美味しいフレンチが、とてもリーズナブルなお値段だったのだ。
飲み物は別だが、ディナーなのに一人、二千円と少ししかしていない。
素直に感激して、また来ようと心に決めた。