愛されたがり。




食事を終えて、コンビニに寄ってもらい一つ150円の珈琲を買った。

私の好きな一つ。



出会ったばかりの頃、私が安い100円のおにぎりや、珈琲を飲んでいると広瀬くんはよく驚いていた。


コンビニやファミレス、回転寿司などとは無縁な人だと思っていたらしい。


そんなにお堅く纏まった人に見えるのかな?




ストローを差して珈琲を飲みながら車の外の眺めを見つめる。

広瀬くんが、家まで送ってくれるというのでご好意に甘えることにした。



「綺麗だねえ」



キラキラと流れる町の明かりと多種な笑顔。

静かな車内から眺めるその景色は、まるで早送りのアルバムを見ているようだ。


窓に映る私の顔はほんのり上気している。


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