愛されたがり。
……そんな話を聞かされて、私はすごく恥ずかしい。
思わず顔を覆い隠すと、彼は笑った。
「僕は……初めて会った時から貴女の事が気になっていた。二回目会った時、これは神様がくれたチャンスだと思った」
広瀬くんは語る。
私も笑みを携えながらその話を聞く。
「和泉さんと会うたびに知っていく、女性らしくて、知的で、穏やかで、落ち着いていて、けれど少女のような明るい所や、純粋な所にどんどん惹かれていった」
だから……。
呟きながら、広瀬くんは赤信号で車を停めた。
私の手を取り、後頭部に手を回して、私の唇に触れるだけのキスを落とした。
珈琲の薫りが、ぐっと近くなって鼻腔を擽る。
胸が一瞬、止まった。