泣いてもいいよ。
『3/29
今日は高校の説明会だった。ちゃんと友達ができるか、ちょっと不安。』

『4/10
たくさん友達作れたけど、今日は小野遥という女の子が気になった。雄馬があの子可愛い可愛いうるさいから、明日声かけてみよう』

大垣くん……。

『5/24
雄馬と遥と鮎川とで、公園に行った。子供達と遊んでいると、すごくこころが和むなぁ。』

『6/17
今日、衝撃を受けた。自分の気持ちに驚いた。
もしかしたらもしかしてだけど、鮎川が好きかもしれない。』

……え?
楠本くん、美羽が好きだったの?

『7/30
鮎川をみると胸が苦しくなる。こんな気持ちは久しぶり。』

『8/5
もう告白してしまおうかな。でも。なにか違う気がする。そのなにかが分からないんだけど……。』

『9/1
始業式だった。
分かった!俺は遥が好きなんだ。鮎川を見て苦しくなるんじゃなくて、その隣りにいつもいる遥なんだ。今日遥を見つめていて気付いた。
「次のテスト、絶対頑張るから楠本くん見ててよ!」
とにっこり笑う遥がとてつもなく恋しく思った。』

『10/19
遥が泣きそうな顔をしていた。そんな顔されたら、俺も泣きそうになった。』

『11/8
今日、雄馬に手紙を貰った。ショックすぎた。』

手紙がはさんであった。
見ても、いいよね?

『おれ、おのはるのことが好きなんだ。告白したらどうだろう……?』

『12/24
クリスマスイブ。今年は照れくさくて遥を誘えなかった。来年、絶対誘う。絶対そこで、告白する!雄馬にとられたくない。』

それから、楠本くんはずっと私のことを書いてくれていた。
涙がそこまできていた。
高校2年のクリスマスイブ。
その日、大垣くんに告白された……。
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