恋は前途多難?

分からないんです!

課長と初めてのキスをしました。

ふわふわした気分になって

何も考えられないくらいに。


「──星村。誘ってるのか?」


初めてのキスで、放心状態になってしまった私は、課長の声も届いていなかった。


「──星村、乗れ。話をしようか」


そう言うと、私を車に乗せてこちらの様子を伺うと軽く笑って発進した。

* * * * * * * * * * * *

「星村、おいで」

そう言って私が近くに来ると抱き抱えて歩き始めた。

そしてある部屋の前で止まると鍵を開けて中に入った。


「ここ、私の家じゃ無いですよ?課長?」


やっとのことで声を出す。


「…あぁ、俺の家だからな」

「課長の?なんでまた…」


部屋の中はシンプルだった。
白いソファ、木目調のテーブルや棚。
その他にも目立たない色で家具が統一されている。

「──話を、しようか」

その言葉と共にもう一度私に口づけた。

「なんで、キスしたんですか」

「可愛かったから。嫌だったか?」

「違いますっ!期待させないでください…」
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