【短編】執事はいつも主人のそばに



しばらくすると目的地のお茶会の会場についた





佐久間さんは無言で扉をあけ、いつもと一緒のようにお茶会の場所まで連れ





て行ってくれた





「お嬢様、こちらが会場になります。」











普段と変わらないはずの佐久間さんの声にビクッとしてしまった





「は、はい」





動揺しているのは私だけなのだろうか





そう思うとなぜか切なくなってしまった





その時、佐久間さんの顔がいきなり近づいてきて





「いつもどうりにしていてくださいね」





佐久間さんは小声でそう言うと、また歩き出してしまった





耳元で聞こえた声が頭のなかに響き、私は佐久間さんのことを好きになって





いたことがわかった

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