【短編】執事はいつも主人のそばに
執事はいつも主人のそばに 4
お茶会をした日から数日後、私と佐久間さんは必要なこと以外何もしゃべる
ことができなかった
私は佐久間さんのことをもっと知りたいのに目が合うとそらしてしまい、な
ぜか避けてしまう
「お嬢様、今日の学校は午前中まででございます。」
「わ、わかりました…」
「では失礼いたします。」
「…まって、佐久間さん…」
「何でございましょうか、お嬢様」
「あの、佐久間さん、私…」
「いえ、なんでもありません。」
「では…失礼します」
ガチャ
もっと佐久間さんと話したい、もっと一緒にいたいその気持ちがだけがただ
大きくなるだけ、二人の状況はなにも変わらないままだった
佐久間さんも今までの命令口調もなくなって、執事と主人の境界線を引かれ
たように敬語を使うようになった