病愛。【完】
真side
前にもこんなことがあった気がする。
綾香が恭平に捕まってしまったこと。
あの時も俺は、颯に助けを求めた。
颯が綾香に好意を抱いていることは知ってる。
だからこそ…
綾香を大事に想ってくれてるからこそ…
俺は颯を頼ることができるんだ。
恭平とは違う形で、ちゃんと綾香を真正面から見て想ってくれてるから。
「真くん!!」
いきなり名前を呼ばれる。
振り返るとそこにいたのは…
「成美さん…」
綾香の親友、成美さんだった。
「綾香に何かあったんでしょ?…私にも教えて。」
「いえ。それは…」
俺が拒もうとすると成美さんは俺の手を握ってきた。
「お願い!!私にとって綾香はかけがえのない存在なの!!」
成美さんは強く…俺の手を握り締める。
「今、綾香は一体どうしてるの…?」
…そうだ。
成美さんにとっても、綾香は大事な存在なんだよな…
「僕にも教えて。」
また聞こえてくる声。
「朝輝…」
「俺だってまだ綾香先輩が好きだし…心配だよ。」
綾香は。どれほどの人に想われてきたんだろう。
「……今、綾香は…」
俺は二人に告げた。
綾香が…恭平の家にいることを。
二人は俺にうなずいてみせると校舎を飛び出していった。
そんな二人の背中を見ながら俺は嫌なことを想像していた。
もし、もう手遅れだったら…?
もし、もう綾香が恭平のものになってしまっていたら…?
俺はそんな嫌な考えを振り払うように首をふった。
「手遅れじゃない。絶対に。」
そう、必死に自分に言い聞かせた。
前にもこんなことがあった気がする。
綾香が恭平に捕まってしまったこと。
あの時も俺は、颯に助けを求めた。
颯が綾香に好意を抱いていることは知ってる。
だからこそ…
綾香を大事に想ってくれてるからこそ…
俺は颯を頼ることができるんだ。
恭平とは違う形で、ちゃんと綾香を真正面から見て想ってくれてるから。
「真くん!!」
いきなり名前を呼ばれる。
振り返るとそこにいたのは…
「成美さん…」
綾香の親友、成美さんだった。
「綾香に何かあったんでしょ?…私にも教えて。」
「いえ。それは…」
俺が拒もうとすると成美さんは俺の手を握ってきた。
「お願い!!私にとって綾香はかけがえのない存在なの!!」
成美さんは強く…俺の手を握り締める。
「今、綾香は一体どうしてるの…?」
…そうだ。
成美さんにとっても、綾香は大事な存在なんだよな…
「僕にも教えて。」
また聞こえてくる声。
「朝輝…」
「俺だってまだ綾香先輩が好きだし…心配だよ。」
綾香は。どれほどの人に想われてきたんだろう。
「……今、綾香は…」
俺は二人に告げた。
綾香が…恭平の家にいることを。
二人は俺にうなずいてみせると校舎を飛び出していった。
そんな二人の背中を見ながら俺は嫌なことを想像していた。
もし、もう手遅れだったら…?
もし、もう綾香が恭平のものになってしまっていたら…?
俺はそんな嫌な考えを振り払うように首をふった。
「手遅れじゃない。絶対に。」
そう、必死に自分に言い聞かせた。