病愛。【完】
病度Lv6
やだっ…!!





「やめてっ…!!恭平っ!」




私は必死になってさけんだ。




このままじゃ私は本当に恭平に人形にされてしまう。




そんなのは絶対に嫌だ…!!






恭平に向かって「嫌だ」と何度もさけび続けた。




それでも、恭平の耳に私の声は届かなかった。




私を愛しそうな目で見つめながら…





私を殺そうと、サバイバルナイフを私に突き立てる。




いくらさけんだって助けは来ない。






「安心しろ。俺がちゃんと看取ってやるからな。」







そんなの嫌に決まってる。




死ぬ時は、大事な人に…




「颯…」




私はそう呟いて涙を流した。





瞬間、恭平の顔がゆがんだ。





そして私に突き立てていたサバイバルナイフを下ろした。




え…?




私は何が起こったのかわからなかった。




でも今…目の前にいる恭平はうつむいている。




いきなりどうしたというのか…







「やっぱりな。お前は…やっぱり…」








突然、そう恭平はぶつぶつ言うと立ち上がった。




「恭平…?」




「興が冷めた。俺は…あんな奴のことを想う綾香はいらない。」




私を殺すのはもうやめたらし…


















「あいつを消してお前がもうあいつのことをまっさらに忘れたら…人形にしてやる。」










一瞬、恭平の言ってる言葉の意味がわからなかった。




でも、「颯を殺す」そう言ってることだけは確かにわかった。
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