病愛。【完】
私は泣きじゃくりながらもようやく学校にたどり着いた。





「伊藤、大丈夫かよ?」




「うん。もう大丈夫。颯のおかげだね。ありがとう。」





私が言うと颯は顔を背けて





「元気になってよかったな。」





と言ってくれた。





その言葉がなんだかすごく温かく感じられた。





私は颯と一緒に明るく話しながら教室へと向かった。










教室へ入ると…




「綾香!!」





親友の成美(なるみ)の私を呼ぶ声。






「成美!!」





私は成美に飛びついていった。





「どうしたの?綾香??」





そう聞かれても私は首をふった。




そんな私を見かねてか成美は






「…何かあったんでしょ?…颯。屋上行こ。」






成美は私の腕と颯の腕を引っ張って屋上へと上った。









屋上はすごく気持ちよかった。






「…話しな?綾香。」






成美が私に優しく微笑みかける。






「うん…」







私は意を決して二人に話すことを決意した。
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