病愛。【完】
私は真と帰宅した。





「ただいま~」




「ただいま。」






私の心臓はうるさいほど鳴っていた。





もう恭平がいるんじゃないかという不安で。






「あら。お帰りなさい。綾香。真。」





出てきたのはお母さんだけだった。






私はとりあえずホッとした。







「あ。そういえば恭平くん、晩ごはんだけ一緒に食べるって。」





「そ、そう。」





私は苦笑いをすると真と二階へ上がった。












「夜にしか来ないらしいよ…?」





「まぁ颯には夜まで待ってもらうしかないだろ。」






「ええっ?!」






夜までずっと颯がいるってこと?






すると下から声が聞こえた。





「どっちか二人~買い物に行って来てくれない?」





お母さんの声だ。





「は…はーい!!私が行くっ」





私はそう叫ぶと階段を下りていった。






「オイ!!綾香!!」






「大丈夫っ、何かあったら電話かメールする!!」








私はそう言うと家を飛び出していった。






颯とずっと一緒と考えると胸の鼓動が速くなって。






まぎらわすために買い物に行こうとした。







そんな一時的な衝動で出かけた私が…悪かったんだ。
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