病愛。【完】
「綾香。」





部屋に入ると恭平は私の名前を呼んだ。





「恭平。あの、本当にごめん…」






「…え?謝って許されるとでも思ってるの?」






恭平はそう言うと私を壁に追い詰めた。







「俺、言ったよな?学校でも同じだって…」






恭平は怒ってる。






「ごめ…」






「だから謝ったって済まされねぇって言ってるだろ。家にまで連れてきて…」







恭平の目は獣のようだった。







狂った…獣。






「んゃぁっ!!」





恭平は私にキスをしてきた。





無理やりの…激しいキス。






「んんっ…」





息が苦しい。





窒息寸前のところでようやく離してもらえた。







「はぁ…はぁ…恭平っ…」





「ちゃんと刻み付けてやらねぇとわからねぇんだろ?」






恭平はそう言うと私をベッドに押し倒した。





「恭平!!」





きっと私の声は恭平に届いてない。






「俺のものってしっかり教えてやるからな…」






恭平はそう言うと私の首筋に歯を立てた。






そして血が出るほどに噛む。






「痛いっ…!!」






激痛に襲われた私は意識を失いかけた。












「伊藤!!」






そんな時に聞こえたドアの外からの颯の声。






「綾香?!大丈夫か!!」





真もいる…





「…邪魔だな、あいつら。」





恭平の目がまた変わる。









「やめてっ!誰も傷つけちゃだめ…!」






私は必死になって恭平に向かって叫んだ。
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