病愛。【完】
「今日は俺の家に行くぞ?」




「え?なんで…」





「綾香に拒否権はねぇ。なぁ?」






そう言い私に黒い笑みを見せる恭平。






「…わかったよ。」





私は抵抗するのをあきらめた。





そうしているうちに恭平の家についてしまった。






何度も来ているため、緊張というのはあまり無かったが。






「上がれよ。」





「言われなくても上がるし。」






私はそう言うと靴をぬいで恭平の家へと上がった。





「アレ?おばさんは?」





「今日は友達と出かけるって。父さんは夜中までいつも仕事。」






「そう…」






私は別に変わりなく返事をすると…










「…綾香。」





不機嫌そうな顔をする恭平。






「どうかした?」





「…反応。」





「は?」





すると恭平は私の腕を引っ張った。






「きょ、恭平…?!」






恭平は私を自分の部屋へ連れて行くと…






「普通さ。彼氏と家に二人っきりって言われたら…顔赤くとかしないのか?」






いきなりそんなことを言い出すので…





「…私、恭平のこと彼氏だと思ってないし。」






本音が口に出てしまった。





しまったと思ったときには遅かった。






「…へぇ。彼氏と思ってない…か。」





恭平は私をベッドに押し倒した。






「じゃあ…俺がお前の彼氏だって…その体に刻み付けてやろうか?」





私はこうしている中でも常に冷静でいることを心に誓った…
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