病愛。【完】
恭平side




今日は両親が二人ともいない。





今日がチャンスだと思った。






けれど、綾香は家に入る時も…






両親がいないことを伝えた後も…






ずっと平然としていた。






確かに俺と綾香はいとこだったけど。






今、俺らは彼氏と彼女の関係。






ドキドキくらいしてくれたっていいだろ?






俺はそんな気持ちがあふれてきて






「普通さ。彼氏と家に二人っきりって言われたら…顔赤くとかしないのか?」






と言ってみた。






どんな返事が返ってくるのか…ドキドキしてた。





なのに…






「…私、恭平のこと彼氏だと思ってないし。」







と綾香はそう言った。






俺の頭の中は真っ白になった。






彼氏と思ってない…?





じゃあこの前の告白をOKしたのは…






やっぱり俺のことが好きだからじゃなかった…?






あの大事な二人を俺から護るため…?






俺は自分自身に押さえがきかなくなった。






とにかく許せなかった。






自分を彼氏として見ていない綾香のことを。







だから俺は綾香をベッドに押し倒して…







綾香に俺の存在を刻みつけようとした。







でも…





その時、俺は見てはいけないものを見てしまった。







服の乱れた綾香の首筋に…赤い痕がついていたのを。
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