病愛。【完】
ん…?




人の気配…?





私は目を覚ました。




私…いつの間にか寝て…?





起き上がると…目の前には颯がいた。





「颯?!もう来てたの…?」




「ああ…」





颯…?





なんだか様子がおかしい。





いつもの颯と違うような…





…もしかして私の顔、なんか変?!




寝起きだから?!




私は目をこすった。





…アレ?





私は手を見る。





濡れてる…?





確かに私の手には雫のようなものが残っていた。






もしかして…これって…






「涙…?」





なんで私、涙なんて…





「…綾香。」






「颯!!私、どうして涙なんて…」





とまで言いかけた時、私は颯に抱き寄せられた。






「伊藤…無理すんなよ…!!」





「ねぇ?!颯っ。なんで私、涙なんて流してるの?!」





颯の声が耳に入らない。





パニック状態におちいっていた。





理解できない。




なぜ自分が涙を流してるかなんて…





「伊藤。」






颯は静かに私の名前を呼ぶと…






唇にキスを落とした。





「んっ…」





唇を押し付けられているため、言葉が発せられなかった。






熱く、濃厚な感触が私の中を駆け巡った。






そのおかげで何も考えなくて済んだ___
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