病愛。【完】
昼休み。





「綾香。一緒に食べよう。」




「俺もいいか?」





「うん!!幼なじみ三人で仲良く食べよっ」





私は二人と一緒に昼ごはんを食べることになったのだが…






「伊藤さん。なんか1年生の男の子が呼んでるわよ?」





「たぶん真だ。ごめん。ちょっと行って来るね。」





「わかった。じゃあ屋上で待ってるね。」





「了解。」





こうして私達は一旦、バラバラになった。













「綾香!!」





教室を出ると真がなんだかあせっているような様子でいた。





「どうしたの?真?」





「外に…恭平らしき人がいる…」





恭平?!




私は廊下の窓を開けて校門のほうを見た。





確かに…立っている。





アレは恭平の姿だ。





私は素早くかかんだ。





窓から姿を見つけられるかもしれない。





それが恐かった。






「追ってきたのか…?」





真はまだ校門を見つめている。




私も少しだけ窓から顔をのぞかせた。





恭平は私を探しているようだった。





校舎を見渡していた。





少しでも私の姿があったら…





きっと乗り込んでくるだろう。





今度こそ何をされるかわからない。





私は震えていた。





恐い…恐い…恐い…こわ…








「大丈夫だ。綾香。」




すると真が私を温かく包んでくれた。





「真…」





「俺が護るよ。綾香を。」





必死に私を護ってくれようとする真がすごく頼もしかった。





「ごめん。真…」





弱い部分も見せられる。






これこそ姉弟なんだなって思ったりした。
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