病愛。【完】
お母さんが出してきたのはドーナツだった。
「お母さん特製よ~召し上がれ。」
お母さんが張り切りながら言う。
いつもはすぐにかぶりつくんだけど…
今日はなんか食欲ないなぁ…
恭平や真はどんどんドーナツを口に入れるが、私は全く手をつけていない状態。
「どうしたの?綾香?」
お母さんが心配して聞いてくるので私は苦笑いして
「ちょっとおなかの調子が悪いからトイレ行って来るね。」
と言い席を立った。
恭平の視線を感じたが私は気にせずにトイレへと向かった。
私がトイレの前に来た時だった。
「オイ。綾香。」
低いトーンの声。
私が振り返ると案の定、そこには恭平がいた。
「何…?」
私が恐る恐る聞く。
「なんで逃げんだよ?」
恭平はどんどん私との距離をつめてくる。
トイレに入れればいいんだけど…
私の後ろはトイレのドア。
恭平との距離を離そうと後ずさっているとトイレのドアにぶつかった。
私はドアノブに手をかける。
恭平はどんどん近づいてくる。
恭平が一歩踏み出した瞬間、私はドアノブを引き、トイレへ入った。
…と思ったのだが。
「俺から逃げられるとでも思ったのか?」
妖しく笑う恭平が私の目に映ったのが…
逃げられなかった証拠。
「お母さん特製よ~召し上がれ。」
お母さんが張り切りながら言う。
いつもはすぐにかぶりつくんだけど…
今日はなんか食欲ないなぁ…
恭平や真はどんどんドーナツを口に入れるが、私は全く手をつけていない状態。
「どうしたの?綾香?」
お母さんが心配して聞いてくるので私は苦笑いして
「ちょっとおなかの調子が悪いからトイレ行って来るね。」
と言い席を立った。
恭平の視線を感じたが私は気にせずにトイレへと向かった。
私がトイレの前に来た時だった。
「オイ。綾香。」
低いトーンの声。
私が振り返ると案の定、そこには恭平がいた。
「何…?」
私が恐る恐る聞く。
「なんで逃げんだよ?」
恭平はどんどん私との距離をつめてくる。
トイレに入れればいいんだけど…
私の後ろはトイレのドア。
恭平との距離を離そうと後ずさっているとトイレのドアにぶつかった。
私はドアノブに手をかける。
恭平はどんどん近づいてくる。
恭平が一歩踏み出した瞬間、私はドアノブを引き、トイレへ入った。
…と思ったのだが。
「俺から逃げられるとでも思ったのか?」
妖しく笑う恭平が私の目に映ったのが…
逃げられなかった証拠。