病愛。【完】
学校にて。





「おはよう。綾香。」





「おはよ。成美。」





いつもどおりの成美と…








「…」




「…っ」





いつも通りに颯に接することができない私。





私は颯を無視して席についた。





「綾香…」






成美が心配そうに私の顔をのぞきこむ。





「…」




私はただうつむいてるしかなかった。










昼食時。





「綾香。屋上行こ?」




「…うん。」




私は颯をチラッと見てから成美に返答をする。





もう…昼食を食べることさえ叶わない。





すごくすごく…虚しい。





私達はいつものように屋上へと向かった。





そしていつもの場所で弁当を広げる。





颯がいない。





それだけであとはいつもと何も変わらない風景だった。





でも…颯がいないだけでなんだか寂しく思える。





「…綾香。」





成美がおにぎりのラップをとりながら私に呼びかける。





「何?」





私は何にも手をつけられず成美の目だけを見た。





「私、颯と綾香のこと、一番知ってるよ。」





「うん。」





「いつも一緒にいたよね。」





「うん…」





「離れるなんて…寂しいよねっ…」





成美は涙を流し始めた。




私は成美を強く抱きしめる。






「ごめん。何もできなくて…ごめんっ…!!」





「成美は何も悪くない。私がけじめをつけられなかったせいだよ。」











そんな私たちの様子を見てる人が一人。






「あの人が伊藤綾香さん…?」
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