病愛。【完】
「変になつかれちゃった感じね。」




「うん…」





全部の男との関係を断ち切れって言われたのに…




また新しい関係を作っちゃったよ…




でも…私、あんな人懐っこい子…




捨てることなんて不可能だ…!!




幸い、颯もいないし…




徐々に縁を切ることにしよう。




私はそう考えた。








そして…授業も終わり私は成美と教室へ戻る。





その時にまた1年の教室の前を通ることになる。





すると…





「綾香先輩!!」





朝輝にまた呼ばれた。





「朝輝くん。」




私も笑いかける。





「あの…おこがましい話なんですが…」





朝輝が私を見上げて話を切り出した。





上目遣いが可愛い。





「あの…今日、真のお見舞いに行ってもいいですか?」





お見舞い?ってことは…





「家に来るってこと?」





「はい。あの…真が心配で…」





なんて優しい子なんだろう。





私がOKを出そうとしたとき…





脳裏で恭平の言葉がよみがえった。








「俺との約束を護れなかったら…学校を消すから。」










私は歯を食いしばった。




ダメ…




もしかしたら…朝輝に被害が及ぶ場合も…





「迷惑ですよね…すみません。」





朝輝は作り笑いをする。





「じゃあお大事にと伝えておいてくれますか?お願いします。」





朝輝はそう言い私に背を向けて行ってしまおうとする。







「待って!!」




私は呼び止めてしまった。





朝輝はきょとんとした顔で私を見つめる。





「いいよ。朝輝くんが来てくれると真も元気になるかもだし…」





私は色々ごにょごにょ言っていると…





「OKってことですか…??」




「うん。まぁ…」




「ありがとうございますっ!!じゃあまたうかがいますね!!」





朝輝はそう言い満面の笑みで教室へと帰っていった。





私…何やってるんだろう…
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