病愛。【完】
「朝輝くん、持っていってくれたかな?」




私はそんなことをつぶやきながら階段を上がっていた。





部屋で迷ってるか少し不安だった。








私は真の部屋に入った。





「真ー」





するとまた真が起き上がった。





「だから無理しなくていいって。」





私は真をまた寝かす。





「そういえばさ。朝輝くん、来てくれた?」




「朝輝…?」





真は目を見開いていた。





「どうした?真?」





「あいつ…来てるのか…?」





「え。保冷剤を持っていくように伝えたんだけど…来てない?」





「来てねぇけど。」





あれ?




じゃあ迷子になってるのか…







「綾香。」




「ん?」




「あいつには気をつけろ…」




「気をつける?」






「あいつ…朝輝は…恭平に近いところがあるから…」





恭平、に…?




ゾクッとした。






「忠告ありがとう…じゃあ気をつけるね?」





私はニコッと微笑むと真の部屋を出た。





あの朝輝が恭平と似てる…?




考えられなかった。




とりあえず私は朝輝を探すことに専念した。





「朝輝くんー?」




朝輝を探す。




どこにいるんだろうか…




私がふと目にはいったのは隣の私の部屋だった。




私の部屋に間違えてはいったのかな…




私は自分の部屋に入った。





「朝輝くーん?」





そこには…確かに朝輝がいた。





でも朝輝がいたのは私のベッドの上。





私が固まっていると朝輝はこちらを向いた。






「綾香先輩…本物だぁ…」





ニコリと笑う朝輝。





その笑みは限りなく恭平に似ていた___
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