病愛。【完】
「やめてっ!!」




私は恭平を突き飛ばした。




「…突き飛ばすなんてひどいな。」





恭平はそう言いながら平然としている。





「ひどいのはアンタよ!!なんで私に…キ、キスなんて…」






しどろもどろになって言う私を見て恭平はニヤリと笑った。







「お前のことが好きだから…キスした。」






だからって…!!




私の意志関係なしにキスするってありえない!






「最低っ!!」






私はそうはき捨てると廊下を走っていった。








なんでっ…なんでっ…!!





頭の中は真っ白になっていた。





私はリビングへと戻っていた。






「どう?おなかの調子は?」






お母さんが聞くが私は耳に入らなかった。







「部屋に戻る。」






私はそう言い階段を駆け上がった。







「ちょっと綾香?!」












私は部屋に戻るとドアを閉めた。





「意味わかんないよ…」





私はドアにもたれて一人、頭の整理をしていた。





あんなの絶対に気まぐれだ。





だってキスされて私はすっごく戸惑ってるのに…





あいつはキスをなんとも思っていないようで…






いつもの顔で笑ったんだよ?







ファーストキス、だったのに…





私は唇に触れた。





恭平のキスは意外と優しかった。





アレがキス…










「綾香?」





誰かの声がドアの向こうから聞こえる。




「なっ…何?!」




慌てて答える私。




この声…もしかして…





「俺だよ。真。」





真___
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