病愛。【完】
「朝輝くん…!!」





私は必死に抵抗した。





でも朝輝くんはそんな私を押しのける。





「綾香先輩…」





朝輝は私の着ていた羽織を一枚脱がす。





あとはTシャツだけだった。





そのTシャツに手をかける朝輝。






ダメ…!!




私は朝輝の手を思いっきりたたいた。





「いい加減にしてっ!!」





「綾香先輩?」




「もうやめてよ!!なんでこんなことするの?!」





私がさけぶと朝輝は平然とした顔で





「綾香先輩のことが好きだからですよ?」





そう言いあの可愛い笑顔を見せる。





「朝輝くん…!!」





「…ひとまず黙ってくださいよ。」





そう言い私の唇に自分の唇を重ねる朝輝。




えっ…?!




それも軽いものじゃない。




ずっと…長く、重ね続けていた。





「んんっ…!!」





「顔を火照らせてあわてる綾香先輩…可愛い…」





唇を離すと朝輝は私のあごを持った。






「綾香先輩。僕の可愛い彼女になってくださいよ。」





「嫌よ…絶対嫌だ。」






「えー綾香先輩には拒否権はありませんよ?」





今度は黒い笑み。




完全に狂ってる。





今、目の前にいるのは…





本当にあの可愛いかった朝輝…?
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