病愛。【完】
恭平side




さぁ。どこにいる…?




静かなこの家で。





俺は…綾香を探していた。




カクレンボ?





いいじゃねぇか。





面白そうだ…






綾香を見つけたらその瞬間、綾香は一生俺のもの。




俺だけの…綾香になるんだ。





そう思うとこの時間も貴重だと感じる。









「さて。探すとするか…?」




俺はニヤリと笑うと綾香を探すため動き出した。





隠れられそうな場所を徹底的に探していった。





「綾香、どこにいるんだ…?」




なかなか見つからなかった。





綾香は小さいからな…どこへでも隠れられそうだ。





まぁどこに隠れてたって俺は見つけてやる。





だから待ってろよ?綾香…





俺はそう心の中でつぶやいた。





綾香を…俺だけの腕にとどめておきたい。





俺はそう強く思った。




もうどんな形だっていい。





綾香を俺の側にずっとおいておきたい。





そう思うのは…ダメなことなのか?











俺は和室の障子を開けた。




探してないのはここだけ。





畳のにおいが充満していて机だけが置いてある殺風景な部屋だ。







そんな俺がふと目にはいったのは…




押入れ、だった。




体の大きい俺なら絶対に入れないだろう。




でも…







「見つけた。」









俺は妖しい笑みを浮かべた。




確信したわけじゃない。





でも…ここにいる。そう直感的に思った。









もうすでにカクレンボ終了のカウントダウンは始まっていた。
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