病愛。【完】
その声は。




私が何度も耳にしている、あの人の声。









「颯…?!」




『ああ。いきなり電話してごめん。』




私はベッドから起き上がった。




びっくりして…頭の中がプチパニックになっていた。







「ど、どうして颯が?!」





『学校ではなかなか話せないだろ?恭平との約束…だしな。』




「…っ、そうだね…」




『で。俺、聞いたんだけどな。明後日、恭平の学校は登校日らしいんだ。』




登校日?




ということは…





「恭平は3連休じゃないってこと?」




『そう。だから…どこかに行かないか?二人で。』




二人?ってことは…





「私と…颯で?」




『そうだけど…やっぱダメだよな。ごめん。』




そう言って切ってしまおうとする颯を慌てて止めた。




「行く!!私…颯と出かけたい!!」





私が言うと颯の声は少し明るくなった。





『ありがとな。じゃあ…明後日。』




「うん。」





電話が切れる。




その途端、胸の鼓動が早くなった。





私…颯との会話にドキドキしてる…




久しぶりだから?




…そうかもしれない。






でも…




二人きりのお出かけ。





「嬉しい」なんて思ったりしてるのは…





なんでだろう…?
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