病愛。【完】
私は駅前の公園で恭平を待っていた。









そういえば恭平と会うのは…真の風邪以来。




あの恐怖のカクレンボ以来だった。





私は集合30分前に来て待っている。





私は恭平より下手には回りたくないのだ。





集合時間よりすごく早く来るのは当然のこと。





「最近冷えてきたな…パーカー着てこればよかった。」




私はTシャツにジーパンというシンプルな格好。





だってデートだからってオシャレすると恭平が調子に乗るから。





普通の格好のほうがいいと私は思ったのだ。










10分前。




恭平がようやくやってきた。




「おはよ。」




「おはよう。」




そんなあいさつを交わした後…






「なぁ。デートなんだから…もっとオシャレしろよ?」





恭平はいきなりそう突っ込んできた。




なので私は無表情で





「私はデートだなんて思ってないから。」




と言ってみる。




「可愛くねぇな。」




「大きなお世話よ。」






まず…



私はなんで一番嫌いな、いとこと付き合ってるの?





確かにいとこ同士が付き合っちゃいけないなんて法律はない。





それに…いとこと結婚しても法律違反にはならないのである。





問題はないのだ。








私はため息をついた。






私と恭平の血のつながりって…






「本当に厄介だわ…」





私は小さな声でそうつぶやいた。
< 84 / 117 >

この作品をシェア

pagetop