病愛。【完】
私、もしかして恭平のことを意識してる…?




自分でもわかった。




あれから…恭平がすごくかっこよく見える。





まぁ元々恭平は顔が整ってるし、女子からの人気なんて半端ない。





そんな恭平を今日、初めてかっこいいと思えたのだった。






「なぁ。ゲーセン行こうぜ?」




「う、うん。」




いつもはこういう行動も「自己中バカ」と思うのだが…




今日は思わない。




こうしてゲーセンに恭平と一緒に入れたことに照れてる私。





私…どうかしちゃった。




自分でも知らない私がいるみたいだった。





「あ…これ…」



私はUFOキャッチャーの機械を見た。




そこには前、雑貨屋で売ってて一目ぼれした人形があった。




前歯が可愛いリスの人形。




私が見とれていると…





「それ、ほしいんだな?」




いきなり後ろから声がしてビクッとする私。




「いや。別にいらないから。さ。行こう?」




私がそう言うのだが…恭平はお金を機械に入れた。





「必ず取ってやるからな。」





そう言う恭平の目は自信に満ちていた。




…はずだったのだが。
















「もういいよ…?」




「いや。もう一回だ!!」





何度やってもリスの人形はとれなかった。




恭平は必死。




私はそんな光景を微笑ましく思った。








そして…それからまた数分後。





「綾香っ!とれた!とれたぞ!!」




恭平が大声でさけんで私の元へ来る。




「ありがとう…!やっぱすっごく可愛い…」





私が満面の笑みを浮かべると恭平は





「や~っぱりほしかったんじゃねぇかよ。」





恭平は笑って見せた。





「うん…本当にありがとう!!」




私はこの日、この時に一番の笑顔を見せた。




すると、恭平は顔を真っ赤にして…




「俺にかかれば当然のことだ。」




と強がっていたので…




私は思わず笑ってしまった。








今の私の頬、きっと赤くなってるだろうなぁ。
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