病愛。【完】
恭平side




やっぱり綾香は可愛い。




俺は今、隣にいる綾香を見て思った。




俺が少し優しくしただけで動揺して…顔が赤くなってる。





単純で…本当に可愛い。











でもな?綾香。




世の中すべて単純じゃないんだぜ…?




言ってる言葉と腹の中で思ってることは違うんだ。




「ちょっとトイレ行って来るね。」




綾香はそう言い歩き出す。




どんどん離れる俺と綾香との距離。




愛くるしい綾香が、俺から少しでも離れると…






「っ……」




気が狂いそうになる。




俺から離れてる間…綾香がほかの男とからんでるんじゃないかって。





綾香のことが…心配になる。





俺はベンチに座りながらも落ち着かなかった。











しばらくして綾香が帰ってきた。




いつもの清らかで綺麗な綾香。




「遅れてごめんね?」





綾香が謝る。




そんな綾香を俺は抱きしめると




「ホントだな。おせぇよ。バーカ。」





と言い綾香の頭を二回たたいた。





抱きしめるのをやめると綾香が顔を赤くしていた。







なぁ。




このまま…お前を閉じ込めておいちゃダメなのか?





「次はどこ行く?」





綾香は明るくそう言った。











そんな時、俺は心の中で名案を思いついた。




そうか。そうすればいいんだ…




俺はニヤリと口の端をあげると





「じゃあ…俺の家に来ないか?」





綾香を閉じ込める計画。





少し早めに実行するか___
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