病愛。【完】
「真…?どうしたの…?」





私はきょとんとしながら真に聞いた。





しかし真は何も答えず抱きしめる力を強くするだけ。






そんなときだった。






「オイ。綾香。いる…」





恭平がバッドタイミングで入ってきた。





「お前らっ…!!」






恭平は血相を変えて私と真を引き離した。






「恭平っ…!」






私が恭平の名前を呼んでも恭平はずっと真をにらみ続けていた。







「お前…今、何してたんだよ?」





「…綾香を抱きしめてた。」





「てめぇっ…!!」





恭平はそう言い真を殴った。






「恭平っ!!」





「許さねぇ…」





恭平はまるで別人のようだった。








「綾香はお前の物じゃねぇ!!」






そんな恭平に真ははむかった。





「…今はな。いずれ俺のものになる。」





恭平はそんな意味深な事を言うと私を見た。






「な?綾香。」






そう同意を求められる私。




____怖い。




こんなの恭平じゃない…







「そうとは限らないよ…っ」





私がそうしぼり出すような声で言うと恭平は目をかっ開いた。






「そうか…こいつが邪魔なんだろ?こいつさえ…消せば…」





恭平は真に目を向けた。








危険信号が鳴ってる。





ダメ…いや…






「やめて!!恭平っ!!」
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