病愛。【完】
…ここはどこ?




目を開けた私は暗い部屋にいた。




電気がなく、かろうじで窓から入ってくる光が灯りになる。





確か私、恭平にキスされて…





それから何かの薬を飲まされて…




そこからは覚えていなかった。








私はとにかく動こうとした。




…しかし。




金属のこすれる音がした。





腕に冷たいものがあるのを感じる。




恐る恐る腕を見る。





そこには、銀の鎖があった。




それは足にもついていた。





「なんで…」





そして今さら気がついた。




首に巻かれている鎖が私を支えていた柱に縛られてあることを。




私、もしかして…





「監禁されてる…?」





そう思った途端、背筋が凍った。




動こうとしても全くびくともしなかった。




頑丈な鎖で…私は縛られている。




逃げるのは不可能、だ…








「恭平…っ」








あそこで油断した私がバカ、だったんだ。
< 90 / 117 >

この作品をシェア

pagetop