病愛。【完】
颯side





また、朝が来る。




今日もまた学校で。




気が重くなりながらも俺は目をこすった。





正直…学校になんて行きたくなかった。





だって学校へ行くと伊藤と話せない悲しみに襲われるから。










でも俺は…




「行ってきます。」




学校へ向かう。




伊藤とは話せない。




前みたいに親しくなんてできない。




…でも。







『伊藤の姿が見られれば』









それで十分なんだ。





教室に着くが、伊藤はまだいなかった。





「颯。」




そんな伊藤の代わりか、声をかけてくるのは成美。





…なんだか深刻な顔つきをしている。




「どうしたんだよ…?」




なんだか聞くのが恐かった。




次に成美の口から発せられる言葉は…




そう思うとなんだか鼓動が波打った。








そんな中、成美は言った。




涙をこらえながら、 か弱い声で。














『綾香はもう学校に来ない』














俺が聞いたのは…そんなコトバ。
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