病愛。【完】
颯side




頭の中が真っ白になった。





どうして…?




そんな疑問の言葉しか浮かんでこなかった。





「私も詳しい事は知らないの。ただ…綾香のお母さんから連絡があって…」




成美も涙声だ。




一体、伊藤に何があったっていうんだよ…?









そうしているうちに始業のチャイムが鳴ってしまった。





俺はふらふらと席についた。




先生の話なんて耳に入らない。




頭には伊藤のことしかなかった。





心配で…心配で…心配で…




ただそれだけで…










HRが終わるとすぐに1時間目が始まった。




いつもは眠気に襲われる1時間目。




しかし、今日はピンピンしてた。




眠たくなんてならなかった。




伊藤のことを考えすぎて、眠る気にもなれなかったんだ。








俺は月曜日、伊藤と会う約束をしていた。





伊藤、すっげぇ嬉しそうに了承してくれたよな?





俺は月曜日がすっげぇ楽しみだった。





でも…その前日。




急に真から電話かかってきて…




「急に行けなくなったらしい」って言われて…





俺、悲しかったんだぜ?





いなくなるから行けないって…




わかってたんなら言ってくれよ。





いなくなるんだったら。一番に俺に言えよ…
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